2018年5月27日に開催された平成最後の日本ダービー(GⅠ)は、福永祐一騎乗の5番人気ワグネリアンが優勝した。
キングヘイローの1件から20年余り。苦悩を続けた福永祐一騎手が、19回目のダービー騎乗で遂に日本ダービーを制覇した。
※2022年5月29日更新
初制覇の2年後、コントレイルでダービー2勝目。
翌年、4番人気シャフリヤールでダービ2連覇。自身、3度目の優勝を飾った。
2022年は、皐月賞馬ジオグリフに騎乗し、史上初の3連覇を目指す。
Contents
福永祐一騎手と日本ダービー
日本ダービー過去全成績
※2022年5月29日更新
年度 | 馬名 | 人気 | 着順 |
2022 | ジオグリフ | ||
2021 | シャフリヤール | 4 | 1 |
2020 | コントレイル | 1 | 1 |
2019 | ランフォザローゼス | 5 | 7 |
2018 | ワグネリアン | 5 | 1 |
2017 | カデナ | 8 | 11 |
2016 | レインボーライン | 12 | 8 |
2015 | リアルスティール | 2 | 4 |
2014 | レッドリヴェール | 4 | 12 |
2013 | エピファネイア | 3 | 2 |
2012 | ワールドエース | 1 | 4 |
2011 | ユニバーサルバンク | 11 | 10 |
2010 | リルダヴァル | 8 | 12 |
2009 | セイウンワンダー | 3 | 13 |
2008 | モンテクリスエス | 10 | 16 |
2007 | アサクサキングス | 14 | 2 |
2006 | マルカシェンク | 5 | 4 |
2005 | アドマイヤフジ | 9 | 4 |
2004 | メイショウムネノリ | 17 | 17 |
2003 | エイシンチャンプ | 5 | 10 |
2002 | なし | ||
2001 | プレシャスソング | 8 | 8 |
2000 | マルカミラー | 14 | 17 |
1999 | なし | ||
1998 | キングヘイロー | 2 | 14 |
平均・・7.4番人気、8.3着(-0.9)
伝説となったキングヘイローの一件。あれから歴史は始まった。
こうして日本ダービーの成績を振り返っても、常に期待を裏切り続けてきたのが福永騎手である。
キングヘイローの呪い
超良血馬、キングヘイローに騎乗し、2番人気で初騎乗となった日本ダービー。
1枠2番という良枠で好スタートを切った福永祐一騎乗のキングヘイローは、押し出されるように先頭にだし、1,2コーナーで掛かってしまい、なんと逃げてしまった。
結局直線では見せ場もなく直ぐに失速し、14着の惨敗。これがいわゆる「キングヘイローの呪い」と呼ばれる一件、これ以来、福永祐一騎手は引っ掛かることを恐れ、折り合い重視の後方待機策をとるようになった。
福永騎乗 ダービーで敗れた名馬達
キングヘイロー・・高松宮記念
エイシンチャンプ・・朝日杯FS、皐月賞3着
アサクサキングス・・菊花賞、天皇賞春3着
エピファネイア・・菊花賞、ジャパンカップ
レッドリヴェール・・阪神ジュベナイルF、桜花賞2着、
リアルスティール・・皐月賞2着、日本ダービー4着、菊花賞2着、以降、主戦騎手を外される。ドバイターフでは、ムーアが騎乗しGⅠ初優勝
レインボーライン・・天皇賞春
この中で、記憶に新しいのはエピファネイア。後に菊花賞を5馬身差、ジャパンカップを4馬身差で快勝した実力馬だった。
これが最もダービー制覇に近い馬だっただろう。この馬で、ダービーを取りこぼしたときは、永遠にダービージョッキーになれないのではないかと誰もが思った。
ちなみにこの時も、キングヘイローの時と同じ武豊(キズナ)に足元をすくわれていた。
日本ダービー 福永騎手の作戦予想
そして、今日の日本ダービー。福永祐一騎手は、皐月賞で1番人気ながら7番人気に沈んだ影響から5番人気で当日を迎えた。
皐月賞では、馬場状態が悪くスローペースの中、後方待機して惨敗。またもや、福永祐一騎手の歴史に1ページが刻まれたレースだった。
そして今日。福永祐一騎手騎乗のワグネリアンは、8枠17番という超大外枠を引いたことから、私を含めて大方の競馬予想者は、福永騎手は再び後方待機に徹するだろうと予想したハズだ。
そして、高速馬場で前残りの展開となり、ワールドエースの時と同じく仕掛けが遅れたワグネリアンは、他の有力馬達に全く届かった、と。
福永騎手が過去最高の好騎乗を見せる
しかし、今日の福永祐一騎手は違った。パッとしないスタートだったにも関わらず積極的に先行策を取ったのだ。
そして、1コーナー。行きたがるワグネリアンを必死に抑えた福永騎手。
なんと6番手の位置で折り合う。
これは、まさにキングヘイローの呪いから解き放たれた瞬間だった。
ワグネリアンは、人気のダノンプレミアム、ブラストワンピースを外から抑え込む形で先頭集団の外側につけ、そのまま先頭で駆け抜けた。
レース終了後、福永騎手は、1コーナーで折り合った時、ある程度勝利を確信していたと語った。
ダービージョッキーの安藤勝巳さんも、最高に攻めた騎乗やったと称賛した。
福永騎手日本ダービー勝利インタビュー
インタビュアー)19回目のダービー騎乗でした。
福永騎手)こんなにいいものだとは思わなかったです。夢には見てましたけど、これがダービーを勝った騎手の景色なんだなと噛みしめて帰ってきました。
インタビュアー)6番手の位置は思い描いていたのか。
福永騎手)枠が外だったので、悔いのないレースをしないといけないなと思って、外枠でじっとしてたら位置が悪くなるので、掛かる恐れはありましたけど恐れずに今日は攻めていきました。
インタビュアー)最後の直線はどんな気持ちで追ったか
福永騎手)ダノンプレミアムとブラストワンピースに内をつかれることだけは気を付けて乗った。新人騎手みたいな気持ちで追ってました。
インタビュアー)ダービージョッキーになった感想
福永騎手)悔しい思いをたくさんしたレースでもありましたし、たくさん失敗しましたけど、大勢のファンから祐一ダービー勝ってくれと声をいただきましたし、そういう人達の思いに応えられることができて本当にうれしいですし、何より自分自身がダービージョッキーになれたということが1番嬉しいですし、福永家としてダービーをとれて本当によかった。